第二位
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感想 M.O.P.総出演で楽しみなのは男優です。ここは男優がカッコ良い(^^)特に三上氏と小市氏のツーショットシーンはたまりません。今回は少ししかなかったけど一秒も見逃しませんでした。 オープニングの音楽から映画の世界に連れて行かれ、舞台が始まる感じがしないのでクスリと来ました。音楽はスピルバーグか「風と共に去りぬ」かというオーバーな選択。それも映画を知らない私が感じることでございます。芝居の中で使われているジャズも、幕ごとに流れる音楽も和洋あって映画風。これだけでもかなり気に入りました。 ストーリーは、犯人探しが推理劇のようでもあり、でもハードボイルドで、ラブストーリー。そしてハートフル。サイダーみたいにはじけています。それもM.O.P.の範囲内でしょう。 イタリアの小さな島のホテルで過ごす客と従業員。客の中には支配人(キムラ緑子)の元恋人(小市慢太郎)が彼女に相手にされず、酒飲みのアメリカ帰り客(三上市朗)に突っかかる。没落貴族(岡森諦)が愛想よく年配のオペラ歌手(林英世)に付け入り金品を盗む。ノーベル賞物理学者の家族(倉田秀人、白木三保、塩釜明子)は国外逃亡をもくろみ、愛国心の強い教え子(小池貴史)はムッソリーニの親衛隊に「良かれと思って」亡命計画を暴露する。 ムッソリーニの親衛隊を連れたイタリア秘密警察（奥田達士）はホテルに国を裏切る諜報部員がいると決め込み、ホテルの客を一人一人取り調べる。しかし、犯人はわからない・・・。 物語は佳境に入り、ホテルの従業員と客が綿密な打ち合わせにより島の脱出計画を実施する。しかしそこでも裏切り者が出る。人は何を信じて生きるのか？などという小難しいテーマはありません。裏切りと真実、正義とファシズム、愛情と憎悪などを感じるだけのこと。心地よい芝居の世界に浸れます。 一つだけ驚いたのは、エピローグの作り方です。 脱出計画が成功して５年後のホテルでの出来事です。メンバーの何人かが久しぶりに島に戻ってきたある日のラジオ放送。 「ヒロシマに新型爆弾＝原子爆弾が落とされました」～END マキノノゾミが坂手洋二か井上ひさしか蜷川幸雄に近づいたかと思いました。というのは、マキノ氏の『東京原子核クラブ』では感じなかったことで、インパクトがあったのです。但し表立って反戦を言っていません。観る人によっては反戦を言っているように感じると言うことです。 亡命希望の物理学者は「原爆をナチスドイツに持たせてはいけない、あんなものを投下させる事はガス室以上の惨事だ。その為にはアメリカが先に原爆を作る必要がある」と言い、ムッソリーニ親衛隊の手から物理学者を逃したのはホテルにいた人達です。まさかアメリカが日本に原爆を落とすとは誰一人として考えていなかった。良かれと思って行った行為でした。 そこには人間の不可解さが隠されていて、恐ろしいと思いました。 井上ひさしとは違った角度からメッセージを発信している作品で、出来れば世界に持って行きたいと思いました。あて書きとかあるので、このメンバーでＮＹ・ＷＥ・ソウル公演、希望。＞まあ無理ですけどね(^^;; 以上 |