第四位
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感想 きっと文豪夏目漱石は喜んだ事でしょう。もしくは嫉妬したかもしれません。マキノ作品は原作をオマージュした台詞と、赤シャツ一人称の背景が楽しめるまれに見る一作と思います。 『坊ちゃん』を知る私達を決して裏切らない役者陣の活躍も秀逸しています。特に…上げられません。皆非常に達者。 主役の赤シャツ(横堀悦夫)だけ贔屓して書きますが、真摯にして心優しい人物を実現させてくれました。『坊ちゃん』の内容を否定せずにこれほど好感が持てる人物を作り上げるとは、感心の一語しかありません。 脚本には「おっ、こう来たか！」と思わせるシーンがいくつもあり、原作のファンならずとも納得の行く構成になっています。 客席に着いて、いつも以上に高さのある舞台に気付きますが、これは装置の為。 モンテクリスト伯＠文学座が紀伊国屋サザンの板を回したと感心していたら、今度は青年座が紀伊国屋ホールの板を回してしまった！！セットの表と裏を使いながらの場面転換が鮮やかでした。 暗転になると舞台には登場しない坊ちゃんの声で原作のシーンが語られながら盆が回るという趣向です。観客には原作の裏側を覗いている実感がつのります。 …そうなんです！ あらゆる『坊ちゃん』キャラが総出演にもかかわらず坊ちゃん本人は出てこないという設定もニクイ。ニク過ぎる！！ 全編を通してで、ラストの小鈴と赤シャツのシーンでは久々の『胸キュン状態』に陥ってしまいました(爆)。 マキノ＋宮田のパワー炸裂舞台を目の当たりにし、赤黒対決のもう一作『黒いハンカチーフ』MOP＠紀伊国屋サザンシアターも楽しみです。 以上 |